ボディセンスを調べていると、「センスフィール」という聞き慣れない名前が出てきます。
「フェロモン成分なの?」
「センスフィールを塗るとアンドロスタジエノンが増えるの?」
「女性を惹きつけることまで科学的に証明されている?」
ここは、広告表現と確認できる事実を分けた方が分かりやすいところです。
結論からいうと、センスフィールは、ソシアがボディセンスの商品説明で使っている独自原料の呼称で、原料メーカーProvitalが現在公開しているSENSFEEL™と整合する情報があります。
ProvitalはSENSFEEL™の主な植物原料として Camellia sinensis(チャ)と Coleus forskohlii を掲載しています。ソシア側も、相性のよい植物成分を独自の配合バランスで組み合わせたものとして「センスフィール」を説明しています。
ただし、
「センスフィールという原料が存在する」ことと、「人間のフェロモン作用や恋愛効果が確立している」ことは別です。
順番に確認していきましょう。
センスフィールはソシア公式でどう説明されている?
ボディセンスの現行販売LPでは、センスフィールについて、相性のよい植物成分を選び、独自の配合バランスによって「ブースター効果」を狙ったものと説明しています。公式Q&Aでも、魅力を引き上げるサポートをするという位置付けです。2026年10月3日確認。
また、ソシアのページには、センスフィールによって「アンドロスタジエノン」を増幅するという趣旨の訴求があり、「PROVITAL GROUP natural efficacy調べ」と記載されています。
ここで、3段階に分けると理解しやすくなります。
| 確認した表現 | 確認元 | 分かること | そこからは分からないこと |
|---|---|---|---|
| センスフィール | ソシア公式 | ボディセンスで使う独自原料・配合の呼称 | 単一の化学物質だとはいえない |
| 植物成分を独自配合 | ソシア公式 | 植物由来成分を組み合わせるコンセプト | 配合比・作用機序のすべて |
| SENSFEEL™ | Provital公式 | 現在流通している化粧品原料名 | ボディセンス完成品の効果 |
| AND産生を促すとの訴求 | Provital公式 | 原料メーカーが示す原料レベルの主張 | 人の恋愛行動への効果 |
大切なのは、「センスフィール」という名前そのものを、アンドロスタジエノンやヒトフェロモンと同一視しないことです。
原料メーカーProvitalにもSENSFEEL™が存在する
原料メーカーProvitalの現行公式サイトには、化粧品原料として SENSFEEL™(製品番号71500) が掲載されています。
Provitalは主な原料として、
- Camellia sinensis
- Coleus forskohlii
を示し、2つの植物の組み合わせによってアンドロスタジエノン産生を調整するという商品説明をしています。2026年10月3日確認。
Provitalの公式ブログでは、Makandi forskolin(Coleus forskohlii)と紅茶由来theaflavins(Camellia sinensis)の組み合わせについて、対照と比べアンドロスタジエノン産生が最大3倍になったと説明しています。
つまり、「センスフィール」という名前については、単にボディセンスの広告内だけに登場する言葉ではなく、Provitalが化粧品原料として公開しているSENSFEEL™という原料が実在します。
ただし、ここから先は慎重に読む必要があります。
ボディセンスの全成分表示に「センスフィール」とは書かれていない
では、ボディセンスの容器に「センスフィール」と書かれているのでしょうか。
ソシア楽天市場店で公開されている全成分は、
コレウスホルスコリ根エキス、チャ葉エキス、プロパンジオール、ラノリン、ミツロウ、ワセリン、ミネラルオイル、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、エチルヘキサン酸セチル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、香料
です。
ここには**「センスフィール」という全成分表示名はありません。**
これは、それだけで不自然なことではありません。
厚生労働省の全成分表示の取扱いでは、混合原料、いわゆるプレミックスについては、原則としてその中に含まれる成分ごとに表示します。また、成分は日本の化粧品表示名称で記載します。
日本化粧品工業会も、化粧品には全成分表示が義務付けられ、その際に表示名称リストを用いる仕組みを案内しています。
つまり、
商品企画上の原料名:SENSFEEL™/センスフィール
最終製品の成分表示:コレウスホルスコリ根エキス、チャ葉エキスなど
という表示のされ方はあり得ます。
ただし「この3成分だけがセンスフィール」とは本稿では断定しない
ボディセンスの全成分には、
- コレウスホルスコリ根エキス
- チャ葉エキス
- プロパンジオール
が含まれています。
また、ProvitalのSENSFEEL™では Camellia sinensis と Coleus forskohlii が主原料として公開されています。
情報はよく対応しています。
ただし、今回確認したボディセンス公式LPには、
「Provital SENSFEEL™ 71500を○%配合」
といった原料コードや最終製品中の配合率までは公開されていません。
そのため、
公開情報から対応関係は強く示唆されるものの、ボディセンス中のセンスフィールの正確な配合量やプレミックス構成までは確定しない
という扱いにします。
「158%増幅」は何の試験なのか
ボディセンスの情報で特に目立つのが、「アンドロスタジエノンを158%増幅」といった数字です。
ソシア側では、この数値について「PROVITAL GROUP natural efficacy調べ」としています。
一方、Provital自身の公開ブログでは、SENSFEEL™について対照群比でアンドロスタジエノン産生を最大3倍にしたという説明があります。
ここで注意したいのは、数字だけをつなぎ合わせないことです。
本稿の調査では、
- 158%がどの濃度条件なのか
- 被験者を使った試験なのか
- 細胞試験なのか
- サンプル数はいくつか
- 統計解析はどう行ったか
- ボディセンス完成品を使った試験か
を、ソシアの現行LPだけからすべて確認することはできませんでした。
公開されている業界資料ではSENSFEEL™について細胞モデルを使ったin vitro試験が説明されていますが、これは査読された独立したヒト臨床試験とは別です。
したがって、
「158%という数字がある」→「ボディセンスを塗った男性のフェロモンが158%増える」
と読み替えることはしません。
原料試験とボディセンス完成品の効果は別
さらにもう一段階、区別が必要です。
仮にSENSFEEL™原料についてアンドロスタジエノン産生量の変化が確認されていたとしても、
原料レベルの結果
と
ボディセンス完成品を人が使用した結果
は同じではありません。
完成品で確認するなら、本来は、
- ボディセンスを実際に使用
- 対照品を設定
- 使用量を統一
- ANDを測定
- 被験者数を開示
- 評価者や解析方法を明示
といった試験情報が必要です。
さらに、
「ANDが増えた」
ことと、
「女性から魅力的に見られた」
「恋愛が成功した」
ことの間にも、もう一つ大きな段差があります。
今回の調査では、現行ボディセンス完成品を用いた独立・査読済みのヒト比較試験で、恋愛効果まで示した資料は確認できませんでした。
そもそもアンドロスタジエノンは「人間のフェロモン」と確定している?
ここも重要です。
Provitalの製品ページではアンドロスタジエノンを「male pheromone」と表現しています。
ただし、学術研究ではもっと慎重に扱われています。
Wyattの2015年レビューは、アンドロスタジエノンを含む複数のステロイドについて、人間のフェロモンと認定するための頑健なbioassay主導の証拠がないと指摘しました。
2017年のHareらの二重盲検研究では、ANDまたはESTへの曝露は、46人を対象とした顔の性別判断にも、94人を対象とした異性顔の魅力度・不貞傾向の評価にも影響を示しませんでした。
さらに2024年、Luらは170人を対象に事前登録・二重盲検・プラセボ対照試験を行いましたが、ANDによる社会的距離に応じた寛大さへの影響を支持する結果は得られませんでした。ここでいうsocial distanceは、人との物理的な距離ではなく社会的・関係的な距離です。
2025年掲載のレビューでも、ANDについて研究結果や方法が一貫しておらず、人間の性フェロモンとしての分類は依然として結論が出ていないと整理されています。
これは、
「人間には化学的コミュニケーションが存在しない」
という意味ではありません。
言えるのは、
アンドロスタジエノンを確立済みの人間の性フェロモンとして扱うには、現在も科学的な不確実性が残る
ということです。
根拠を4段階に分けると混同しにくい
センスフィールの情報は、次のように分けると理解しやすくなります。
| 根拠の種類 | 今回確認できたこと | まだ分からないこと |
|---|---|---|
| ソシアの商品説明 | センスフィールという独自原料・配合を訴求 | 詳細な試験条件・完成品での因果 |
| Provital原料情報 | SENSFEEL™、植物原料、AND産生に関する原料訴求 | 市販ボディセンスでの再現性 |
| 原料メーカー試験 | AND産生増加のデータが示されている | 独立したヒト試験での再現 |
| ANDの学術研究 | 多数の研究が存在する | ヒト性フェロモンとしての確立 |
| ボディセンス完成品 | 成分・剤形・商品説明を確認可能 | 恋愛効果を示す独立査読試験 |
「論文がある」「原料試験がある」「商品に入っている」は、それぞれ別の話です。
センスフィールを理由にボディセンスを選ぶなら
センスフィールに興味を持つこと自体は問題ありません。
ただ、商品選びでは、
「センスフィール配合だから女性を惹きつけられる」
と結論づけるより、
- ムスク系の香りが好みか
- 練り香水の形が使いやすいか
- 少量ずつ調整したいか
- 価格や購入方式に納得できるか
- メーカーが公開している根拠の範囲で十分か
を一緒に確認するとよいでしょう。
ボディセンスは現在、4gの練り香水としてソシア公式販売店でも案内されています。指先に少量取り、手首・首・耳の後ろなどへ塗る方式です。
「モテ成分が入っているから選ぶ」より、
香り・剤形・価格・根拠の透明性まで含め、自分が納得できるか
で判断する方が現実的です。
結論|センスフィールは実在する独自原料名。ただし恋愛効果とは分ける
今回確認できた内容をまとめます。
センスフィールは、ソシアがボディセンスで使用している独自原料・配合の呼称です。
また、原料メーカーProvitalには現在も SENSFEEL™ という化粧品原料が存在し、Camellia sinensis と Coleus forskohlii を主原料として公開しています。ソシア側の説明やボディセンスの成分表示とも対応する部分があります。
ただし、
センスフィール=アンドロスタジエノンそのもの
ではありません。
センスフィール配合=ヒトフェロモン作用が確立
でもありません。
そして、
原料レベルのAND産生データ=ボディセンスを使えば女性から好かれる証拠
でもありません。
現状では、
「植物由来成分を組み合わせた原料について、原料メーカーがアンドロスタジエノン産生への作用を訴求している」
というところまでと、
「それが人間の恋愛行動へどう影響するか」
を切り離して読むのが適切です。
独自名称の専門的な響きだけで判断せず、原料情報・全成分表示・研究対象・完成品試験を一段ずつ確認すると、広告表現を冷静に読めるようになります。
FAQ
センスフィールはフェロモンそのものですか?
そのようには確認できません。ソシアは植物成分を組み合わせた独自原料・配合として説明しており、ProvitalもSENSFEEL™の主原料として Camellia sinensis と Coleus forskohlii を示しています。アンドロスタジエノンそのものと同一ではありません。
ボディセンスにはアンドロスタジエノンが配合されていますか?
今回確認したボディセンスの全成分表示には、「アンドロスタジエノン」という名称はありません。したがって、「ANDを香水へ直接配合した商品」とは扱いません。
「158%増幅」は女性からの魅力度が158%上がるという意味ですか?
そのようには読めません。ソシアの表示はアンドロスタジエノンに関する原料側のデータを示すものですが、女性からの魅力度や恋愛成功率を158%高めたヒト試験ではありません。
アンドロスタジエノンは人間のフェロモンですか?
候補物質として長く研究されていますが、確立済みとはいえません。2015年レビュー、2017年の二重盲検研究、2024年の事前登録研究に加え、2025年掲載のレビューでも結論は不確定とされています。